こんにちは、OtokuJETです。
今回は、私が自分の転職活動において内定率を高めるために工夫したことについて紹介します。
※【40代転職成功例】”40代の転職は厳しい”は固定概念に過ぎないを事前に一読いただくと背景を理解しやすいかと思います
職務経歴書の作成で工夫したこと
最初に、転職活動全ての土台となる「職務経歴書」の作成についてです。
自分は「何屋」なのか?を1枚目の冒頭に明記した
まず、職務経歴書(Word)の1枚目冒頭に1〜2行で「私は〇〇屋です、〇〇が強みです」と明記しました。
「職務経歴書を確認する人の目に止まりやすくする」ことを意識したからです。
書類選考通過後に面談を担当する人は、人事部だけではなく(人事系の募集を除く)、案件を所管する部門長や経営陣になります。つまり、職務経歴書を確認する人も、人事部だけではなく部門長や経営陣になります。部門長や経営陣の人たちは”忙しい”ので、書類をすみずみまで目を通さない可能性は大いにあります。
実際に私が事業部で中途採用選考を担当していた時は、毎週、採用担当と書類選考するためのオンラインミーティングを設定し、30分から1時間で数十人の書類を確認していました。短い時間で全ての職務経歴書を熟読することは現実的に困難で、最低限、確認していたのは「ミッション遂行に必要な経験をもっていそうか?」だけです。言葉悪いですが「足切りライン」を設定していたのです。
つまり、何が言いたいかというと「どれだけアピールできる経験やスキルを持っていたとしても書類選考で目に止まらなかったら通過しない」ということです。どれだけ有益なブログを書いたとしてもユーザーに認知されなかったら読まれないのと一緒です。
「そんなの当たり前」と言われればその通りですが、私のように社会人歴が長くキャリアを重ねてきた年齢であればあるほど、意識的にやらないと徹底は難しいと思っています。なぜなら、社会人歴が長いがゆえに、できる限りたくさんのことをアピールして認められたい「承認欲求」が働きやすいからです。
※ 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 自己実現理論
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには二つある。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。
40代ともなれば、様々な仕事を経験しています。複数の部署を渡り歩き、役職も変わり、人によっては「何回目の転職か分からない」人もいます。
「自分は頑張ってきたんだ」という自負をもつ人であればあるほど、経験した全ての会社・部署・役職・仕事内容を職務経歴書に余さず書きたい本能が働きやすいです。しかし、それだけだと職務経歴書を確認する立場からすると、「特徴が見えづらく、目に止まりにくい」職務経歴書に留まってしまいます。
ゆえに、「自分は何屋で、強みはこれ」という自分の特徴を示すキャッチーな一言を、職務経歴書で必ず最初に確認される冒頭に明記し、書類選考中に目に止まりやすくすることを意図的に行うことが重要です。
職務経歴書はキャリアサマリのストーリーと実績箇条書きで構成される2枚のみ
次に、構成と枚数についてです。
私の職務経歴書はたったWord2枚です。
構成は、1枚目はキャリアサマリのストーリーです。
・どんな会社でどんな実績を残して何を得たのか
・転職歴があるのであれば転職した理由
・現職を辞める理由
2枚目は自分がリーダーシップを発揮して成果を出したと思う実績と会社名・ポジションを箇条書きにしたものです。
何故こんなに枚数少ないのか。
理由はシンプルで「自分が何屋で、強みはこれ」に直接関係しない、あるいは実際に面談で聞かれても詳細を語れない内容については、記載しなかったからです。
つまり、自分の特徴を際立たせる内容に絞ったのです。
ビズリーチやリクルートダイレクトスカウト等の転職サイトが用意しているフォーマットで書かれている職務履歴書でよく見られる傾向は「情報量多し」・「冗長」・「特徴不明」です。
経験した全ての会社・部署・役職・仕事内容を詳細で正確に記載しているため、枚数が増え(多い人だと10枚超えている)、逆に特徴が見えにくい職務経歴書になってしまっているのです。
「特徴が見えにくい」ということは「人の記憶に残りにくい」ということです。
私が職務経歴書に書かなかったことを具体的に列挙します。
- 出身大学の話(情報の鮮度が古い)
- 部署名(会社名と役職で十分)
- マネジメント人数(役職で十分)
- 全く実績を残せなかった仕事内容(アピールできない)
- 実績を残したけども当事者として関与が低い仕事内容(面談で詳細聞かれても答えられない)
- 実績を残したけども現在の自分のキャリア形成に大きな影響を及ぼしていない仕事内容(自分の特徴がぼやける)
- 実績を残した仕事内容における具体的なhowの詳細(敢えて面談でアピールする用にとっておく)
- 保有資格(履歴書に書く)
なお、職務経歴書の作成にあたっては、会社のプレスリリース記事を参考にしました。
プレスリリース記事は、読者に関心をもってもらい、理解・共感してもらうための必要なエッセンスが全て詰まった文書です。アピールしたいことと無関係の内容は記載されていませんし、読者にとって理解しやすい文章構成と表現です。
現在の会社を辞める理由は丁寧に書いた
退職理由は丁寧に書きました。
会社を辞める理由は人それぞれですが、そもそものきっかけは「今の会社に対する不満」からです。いかに、格好良く、転職先に聞こえよく、伝え方を工夫したとしても、必ず今の会社では満たせなかった「不満」から発生しています。
採用する側が退職理由を聞いてくる理由はたった一つです。
「会社のせいにする”他責思考”の人か?」を見極めたいからです。逆に言えば、転職者のオーナーシップや当事者意識の高さを見ています。
他責思考の人は、入社後にパフォーマンスしないどころか、周囲に対して色んな不満を撒き散らし、組織へマイナス影響を及ぼします。キャリアを積んできたミドルクラスが、入社後マイナスに振れた時の影響はことさら大きく、組織を崩壊させてしまうほどのリスクを孕んでいます。
そうしたリスクをもつ人材を採用しないために退職理由を掘り下げてくるのです。
つまり、「今の会社に対して何かしらの不満があって退職しようとしていることを知っている」採用担当に対し、当事者意識が高い人間であることを証明する必要があるのです。
私が採用する側として、40代の面談者から聞いていた退職理由を紹介します。
- 経営者と相性が合わない
- 自分のキャリアプランが実現できない
- 自分のやりたい仕事ができない
- 顧客志向の会社ではない
- 新たなチャンレジをしたい
これだけ聞くと全て単なる他責思考と捉えられがちです。
実際に私は以下のような趣旨の質問を必ずしていました。当事者意識の高さを推し量るためです。
- 経営者と相性が合わない
→自責の観点がないのでは?、経営者に合わせる柔軟性がないのでは?、経営者を巻き込む力が弱いのでは? - 自分のキャリアプランが実現できない
→自己利益を優先しているのでは?、会社で自分のキャリアを作り出す意識がないのでは? - 自分のやりたい仕事ができない
→自己利益を優先しているのでは?、会社で自分のキャリアを作り出す意識がないのでは? - 顧客志向の会社ではない
→自分で変える努力をしていないのでは?或いは変える力が足りないだけでは? - 新たなチャンレジをしたい
→自己利益を優先しているのでは?、会社で自ら仕事を作り出す力が足りないだけでは?
こうした趣旨の質問に対し、嘘をつかずに丁寧に「今の会社ではやり切った」ことを理解してもらう内容を記載することが必要なのです。
スキルが高く実績も素晴らしいのに、採用を見送られてしまう人たちの最大の理由は「他責思考が強い」レッテルを貼られることです。
面談で工夫したこと
次は面談です。
私が意識したことは、「会社の魅力的なポイントを具体的に語る」・「自らリーダーシップをとって得た成果について細かく語る」・「報酬やポジションについては最終面談で聞かれたら希望を伝える」の3つです。
会社の魅力的なポイントを具体的に語る
会社の面談担当は「何かしら興味・関心があって当社に応募してくれた」という前提でいます。
ですから、いずれの企業に対してもその会社のどんなところに魅力を感じたかを具体的に語ることはマストです。
当然ですよね。
ですが、この当たり前のことを「意識しないとできない」のが私のようなミドルの人たちなのでは?と思っています。
40代ともなると様々な経験をしてきているため「自分の実績やスキルが評価されないわけがない」という立場を取りすぎる傾向にあります。
「自分は優秀だ」と思うこと自体は、間違ってはいませんし、素晴らしいことです。
ただ、採用する企業からしてみれば、「俺のこと必要でしょう?報酬やポジションをちゃんと用意してくれたらあんたの会社に行ってあげてもいいけど」という傲慢な人に映りかねない可能性を秘めていることを理解しておく必要があるのです。
自分が採用する立場だったら、自分の利益しか考えていないような横柄な人と一緒に働きたいですか?多くの人はNOですよね。
私の場合、「実績やスキルは素晴らしいが、当社のビジョン実現に向けてはフィットしない」という理由で見送られた企業が3社ありました。振り返ってみると、私自身がその会社の掲げているビジョンやミッションへ共感しておらず、かつ共感しようとする努力すらしていなかった会社でした。つまり、会社からしてみれば、「この人は何に興味があってうちの会社の面談に来てくれているのか分からない人」だったということです。
会社の人と面談する以上、その会社のことを自分なりに調べ、魅力的なポイントを探し出し、言葉にして伝えることは、相手企業と距離を縮める上での最大の武器になります。
自らリーダーシップをとって得た成果について細かく語る
「自らリーダーシップをとって」がポイントです。
「仕事の結果に対して責任を負う立場」として関わった仕事の成果について、細かく語れるように準備をしておき、どんな質問がきたとしても答えられる状況にしておく、ということを意識しました。
私は、採用する立場だった時に、候補者が語る一番の成果に対して5W1H(特にHow)の質問をひたすらに繰り返し、掘り下げることをよくしていました。
「成果を出すために、どれくらいの深度と密度で仕事に取り組んできたのか?」を見極めるためです。掘り下げる質問をしていけば、候補者の仕事に対する向き合い方やスキルがどれほどなのかを推し量ることができました。
特に管理職を経験されてきて管理職を希望される候補者の方は、管掌部門の業績達成を成果としてアピールされるのですが、マネジメントとしてその成果に対してどのような貢献の仕方をしたのかを掘り下げることで、ただのぼんやりしていた中間管理職だったのか、それともリーダーシップをとって組織を動かして成果を上げにいったのか、が推し量れます。
リーダーシップをとっていなかった人は、どんな課題に直面して、どのような解決の選択肢があって、何を大事に意思決定して、どのように周囲を巻き込んでいったのか?ということに対する回答が表層的です。なぜなら、やったことがないからです。やったことがないことを細かくありありとは喋れませんよね。
自分がリーダーシップをとって成果を上げたことについて、ストーリーのようにすみずみまで語れるようにすれば、確実に面談通過率は上がります。
報酬やポジションについては最終面談で聞かれたら希望を伝えた
最後は、「報酬やポジションに対する希望は、最終面談で聞かれるまで明言は避けた」です。
これは正直、どのようなタイプの企業を受けるか?で変わると思いますので、あくまで一例として捉えてください。
まず、私が採用する立場として得た一つの経験則として、「ビジョンやミッションの実現を大事にしている会社では、働く動機の一番がポジションや報酬にある人は、結果も出しにくく、長続きしない」です。
ポジションや報酬に拘りが強烈に強い人は、基本的に利己主義が強く、世の中や顧客、会社やパートナー企業など自分以外への貢献欲が薄くなる傾向が強かったからです。なので、他者貢献欲が薄そうと判断した方は、採用を見送るケースが増えてきました。
もちろん、報酬やポジションに拘ること自体は重要です。ですが、「報酬やポジションが働く動機の一番と捉えられてしまうと、ビジョンやミッションの実現を大事にしている会社の面談では不利に働く可能性が高い」ということを理解しておく必要があります。
ゆえ、私の場合、最終面談で先方から聞かれるまでは、報酬やポジションに対して強く要望することは避けました。内定をもらった企業の中には、報酬やポジションへの拘りが薄い点を面と向かって評価してくれた企業もありました。
高い評価をもらい「是非、他社ではなくうちに来て欲しい」と思われるような面談を繰り返していけば、自ずと相応のポジションと報酬は提示されます。また、正式オファー受領後に交渉しやすい状況にもなります。「利己的」レッテルを貼られて、自ら価値を下げてしまうことがないよう、ポジションや報酬に対する答え方やタイミングには注意したいところです。
まとめ
○ 内定率を上げるために書類選考と面談で意識的に工夫したこと ・職務履歴書の冒頭に「自分は何屋で、強みはこれ」と書き、その特徴を際立たせる内容のみの構成とした(枚数的にはWORD2〜3枚) ・退職理由は、他責思考と捉えられないよう丁寧に記載した ・面談では、会社の魅力を語り、自らリーダーシップを発揮して得た成果について細かく語れるようにした。 ・ポジションや報酬への具体的言及は最終面談で聞かれるまで避けた
最後まで読んでくださりありがとうございます。次回は転職エージェントとの関わり方において工夫したことを紹介します。
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